USB-Cケーブルの選び方(通信編)
前回は充電のための送電性能に着目してみましたがUSBケーブルにはその送電の能力だけではなく、ご存知の通り通信に関する規格も多く存在しています。USB Type-A(以下USB-A)に関しても1.0と2.0が存在し、見分けはつきませんでしたが、2種類どころではなく、USB Type-C(以下USB-C)は一つの形状の中に送電量・通信速度のそれぞれでいくつもの規格が入り乱れ、その組み合わせでかなり多くの仕様が詰め込まれたことで煩雑さが増してしまいました。
前回の記事で下記のようにまとめました。
・Apple製品への充電ならPD対応にしましょう
・PD対応の中でも3Aと5Aがある
・場合によっては純正で
公式の仕様ドキュメントとしては以下になるのですが、こちらも読み解いていくのはめちゃくちゃ大変です…
実売されているUSB3.x系のケーブルでは「USB 3.1 gen2」のようなものを見かけることが多いかと思いますが、最新の動向としてはひっくるめて「USB 3.2」という名称になるようです。
そうなると、USB-Cとしては以下の規格が含まれることになります。(lifehacker.jpからの引用)
現在の名称 | 旧名称その2 | 旧名称その1 | (参考)通信速度 |
USB 2.0 | – | – | 480Mbps |
USB 3.2 Gen 1 | USB 3.1 Gen 1 | USB 3.0 | 5Gbps |
USB 3.2 Gen 2 | USB 3.1 Gen 2 | USB 3.1 | 10Gbps |
USB 3.2 Gen 2×2 | – | USB 3.2 | 20Gbps |
こうなってくるとほんとに頭がおかしくなりそうですが、Thunderbolt 3という規格があります。(ややこしいので3より前の規格は端折ります…)これはUSB-Cに+αの機能があるものだと思えばよいようです。こちらの記事がめちゃくちゃ詳しくまとめてくださっています。
この中で大事なのが、実はこのThunderbolt 3対応を謳っているケーブルであっても、また様々な仕様の製品が存在しているということです。
・転送速度(≒長さ)
・DisplayPort Alternateモード(alt mode)対応
・USB 2.0対応
など製品ごとに対応可否があります。
長さと転送速度に関しては以下がとても参考になります。(ただし前述の名称変更が2019年に入ってからとなり、記事によっては旧名称にて書かれています。)
上記の最上位仕様をすべて満たすものは(多分)存在していません。というのもUSB 3.2 Gen 2×2は策定されたところで、対応機器がまだないからです。
なので、USB 3.2 Gen 2(旧USB 3.1 Gen 2)が現状最上位となり、以下の条件に当てはまれば2019/05現在最強のUSB-Cケーブルとなります。
・USB 3.2 Gen 2(旧USB 3.1 Gen 2)対応
・Thunderbolt 3の40Gbps対応
・DisplayPort Alternate Mode対応
・5A送電可能
はたして…
そんなに多くはないですが既にちゃんと製品化されています!が、いくつか注意事項があります。
複数の長さのバリエーションがある場合が特に注意すべきで、Thunderbolt 3は長さにより規格の制限がかかります。アクティブとかパッシブとかっていう仕様があるのですが、シンプルな部分では「1mを超えるケーブルは40Gbps対応ではない(はず)」です。
2mで40Gbps対応を謳っているケーブルは「独自技術で無理をした規格外品」か「ウソ」です。レビューを読めば誰かが検証していてくれていたりします。
特にThunderbolt 3対応ケーブルはめちゃくちゃ太いものが多いです。携帯しての利用にはとてもじゃないですが向いていません。太ければ同時に硬いことも。
そして、まだまだこれら高スペックなUSB-Cケーブルは高価です。個人的には絶対必用というわけでなければ5000円オーバーのケーブルはなかなか手が出ません…逆に安いものはスペックがウソの可能性があります。世知辛い。
ではどういうのを選べばよいのかということでまとめてみます。
仕様 | 妥協点 | 補足 |
送電量 | 5A | 充電だけ考えてもしっかり5A対応がほしい |
USB 3.2の規格 | USB 3.2 Gen 2 | これは間違いなく間もなく必要になる |
40Gbps必要? | 20Gbpsでいい | まだ40Gbps必要な機器はないですし、現状10Gbpsでもなかなか必要になりません |
alt modeは必要? | 使用用途による | ディスプレイに繋ぐことがあれば、必要 |
という感じが現実的ではないかと思います。
この条件を満たすものであれば、割とお手頃価格で0.5~2mのバリエーション、色、太さ・硬さの選択肢があります。
規格に関しては自分にとっての必要十分をしっかり見定めて購入することをおすすめします。例えば写真を撮られるのであれば、SDカードリーダーをご利用になられることもあるかと思います。SDカードリーダーもUSB 3.2 Gen 1(USB 3.1 Gen 1)あたりに対応しているものを目にするようになりました。これに過去のケーブルを使用すると遅い速度でしかデータ転送ができません。Thunderbolt 3 の機能が必要かどうかも大きいです。eGPUを利用する液晶への接続など限定的ですが要・不要の大きなポイントです。なんせかなり高価なので。
USB Type-CはIntelが正式に採用したこともあり間違いなく普及する規格となるでしょう。無線の技術もとてつもない早さで進化していますが、やはり各速度面では有線が常に上をいっています。充電・通信が一つにまとまっていることに留意し、安価なものを適当に買ってしまうのではなく、しっかりと長く使えるものを選ぶことをおすすめしたい。